愛を確認しちゃう

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十分なほど幸せ

タイムリピート(TR永遠君)を観てきたよ感想

TR永遠君こと、舞台「タイムリピート〜永遠に君を想う〜」観てきました。
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ストーリー的に何を言ってもネタバレになる、のでおとなしくブログにさっぱりと感想を書きます。
一回しか見てないので正確性はご容赦。

感想の中で、役というよりは演者本人について、特に愛香ちゃんについて、書くところが多くなりそう。
イムリピートを見終えた今になって『気絶するほど愛してる!』を見て、また思うことがあったのでそれも途中で。
後半からめっちゃネガティヴになるので、真ん中くらいまででいいかもしれないです。
とりあえずいきます。

前振り的な

Juice=Juice単独のイベントを見るのは、4年くらい前のトーク握手イベが最初で最後で、かっちりとお金を払うイベントは何気に今回の舞台が初めてでした。

とはいえ、Juice=Juiceオタクの方々のツイートをよく眺めているので、非常に身近な感じ。

目当ては高瀬、および高瀬一門。
初回観劇はストーリーを追うことを基本としてるので、全体を見てました。


明るい感想 〜全体とメンバーについて〜

セットはさっぱりとしてましたね。前回全労済ホールで見た夢見るテレビジョンのセットが良かっただけに、ちょっとあまりに簡素すぎました。内容が良いからどうこうとかいう言い訳は良くない。セットもかっちりしてほしい。

ストーリー思ったより良かった。
飽きることなく、高瀬たちを目で追う余裕もなくストーリーを追っていたので、中身のある物語だったなと思います。あれが伏線だったのか!みたいなのもいくつかあって、もう一度見たいという気持ちにややなりますね。

まなかんの刺々しい演技。いいですね。
こんなにトゲを感じる女性キャラ、ハロプロ舞台では初めて見たかも。

高瀬と前ここがイケメンでしたね。
前ここは思ったよりセリフが少なくてちょっと残念。ただとにかくイケメン。舞台の中では性別に言及がなかったけれど、あの格好は流石に男性なんだろうか。空手を披露してて可愛かった。
高瀬と前ここはセリフ自体そこまで多くないけれど、アドリブ王の高瀬が前ここと何度もアイコンタクトをしているのが目の端に見えました。多分この2人だけずっと見ていても飽きない気がする。台本には書かれない世界を高瀬がきっちり演じ、それに前ここも付いて行っていると思う。
あと高瀬くるみちゃんのくっ殺感がたまんないよねっていう。うん。はい。深くは書きませんが。

もしかすると、ユハとみいみの方が高瀬前ここよりセリフは多いくらいだったかな?
2人は初めての舞台ということで、コンビのように可愛らしく、明るく、そして物語も支える役、特にみいみは役割を持つ役だったので、良いデビュー戦だったんじゃないかなと思います。

桃々姫はもうすごく良き。ボイパしてるテル。安心感がすごい。一応、高瀬一門の最年少なのに。あのオレンジの作業着が似合っていて、また踊りだすとむちゃくちゃイケメンで。若い男の子でした、完全に。本当に桃々姫は最高。

ゆかにゃ。
物語の途中、旦那持ち子持ち(2人)であることが明かされるゆかにゃ。ここがまさに物語のクライマックスですね。まさか2人も。ゆかにゃの年齢からしてまだ幼い子らでしょう。そして旦那と子供2人がいて、こんな過酷な任務のキャプテンやってるわけですよ。出来女。最高。
ってか子供2人産んであんなに綺麗なんだよねゆかにゃ……素敵……。
家族がいることをクルーたちにはずっと黙ってたわけですね。
こう、結婚指輪を、指輪をどうしたでしょうね、ゆかにゃはね。持ち歩いているのか、それとも船には持って来ず、置いてきたか。
……持ってくるでしょうね、ゆかにゃなら。懐にね、持ってるんでしょうね。
つい、ゆかにゃガチ恋の心が噴出してしまった。

ざっくりあらすじと結末

幼少期のトラウマと孤独な日々から、いつも周囲に対しトゲトゲとしていたルナ。
突如彼女らの乗った宇宙船は、小惑星に衝突してしまう。そして死ぬ瞬間、ルナは「タイムリピート」する。
イムリピートをして混乱に陥るルナに対し、ソーマは優しく語りかけ、普段対立してばかりだった彼女に対し、疑うこともなく協力する。そう、ソーマの研究分野こそが、タイムリピートだった。
ルナは何度もタイムリピートを繰り返すうちに、自分がこれまでひどい振る舞いをしてきたにも関わらず、「仲間」だと言ってあたたかく接してくれるクルーのみんなやソーマの優しさに触れ、みんなを救いたい、という気持ちになる。
が、なんとルナ自身が帝国軍のスパイ、そして自ら志願して脳内に爆弾を埋め込まれたカミカゼドナーであることが明らかになる。
ソーマと最後にタイムリピートをした後、ルナはみんなを救うため、引き止めるソーマの声に耳を傾けず、脱出ポッドで1人、宇宙空間に飛び出していった。

補足というか整理

・再度タイムリピートしたとき、直前にタイムリピートしていなければ記憶は引き継がれない。クルーたちは全員タイムリピートを一度以上経験したが、最後のタイムリピートをしていないので、結局物語最初、タイムリピート以前の時の記憶しかない。
・最後にルナと手を繋いでタイムリピートしたのはソーマだけ。ソーマだけに、ルナとタイムリピートを繰り返した記憶が全て残っている。

感想 〜ネガティヴとネタバレマシマシ〜

観劇から3時間くらい経ってから、この物語には意味が無かった、と、ふつふつと暗い感情になりました。
この物語は、ソーマにとっては大きな意味があったと思います。
弱気でいつも及び腰。研究にしか興味が無い。父を帝国軍に殺され、命からがら亡命したことを誰にも話せず、秘密にしていた。研究を誰にも理解してもらえず、学会でも相手にされなかった。孤独だった。
そんな彼が、ルナとタイムリピートすることで変わります。自身の信じてきた研究を、実証できた。いつも受け入れてもらえなかった彼が、ルナに、ソーマなら良いと、受け入れてもらえた。(タイムリピートについてルナの体を調べていいかと尋ねたシーンのこと)
いつも弱気だった彼が、ルナを、みんなを救うために声を荒げます。行動を起こします。ソーマは変わりました。
そしてタイムリピートの経験を得た彼は、その身をもって自身の研究を実証し、世紀の発見をした天才物理学者として讃えられることでしょう。

だけど、ルナにとってはなんの意味もない物語だった。
そんな風に今考えて、ふつふつと暗い気持ちです。

ルナは母親から孤児院に捨てられ、苦しい日々を送ってきました。楽しいなんて思ったことがない、みたいなことを言うシーンもありました。彼女は帝国軍のカミカゼドナーに自ら志願しました。
そう、ルナは記憶を書き換えられていただけで、そもそも初めから死ぬつもりでした。
人生に希望を持っておらず、死ぬことを自ら志願し、記憶を改ざんされて宇宙船に敵国のスパイとして乗り込んだルナ。
イムリピートを通して人の優しさと、愛とを感じられたのに、やはりルナは、当初の予定通り死ぬのです。

主人公が色々あって成長する、変化する、想像と異なる結末にいく、というのが物語のセオリーだと思っており、その意味で彼女が死ぬことは、あまりに予定調和すぎる、物語として何も意味をなさなくなってしまう、と感じました。

これは、ソーマが主人公と考えれば話は別です。想像もできなかった性格と行動の変化、ラブロマンス、愛する人との別れ、学者としての成功、多くのことが変化したし、プラスに向かったものが多いなと感じます。
ルナとソーマの2人はダブル主演という形なのだと思いますが、こういったタイムリープものではタイムリープをする本人に感情移入しがちです。セリフ量と役割からも、実質的にはルナが主人公だと感じました。

その上でやはり、ルナが1人で死を選ぶこと、これはどうにかならなかったのか?と思います。
例えば、もっと視点をソーマに移して、ソーマの物語であることを明らかにするとか。
途中でクルー全員がタイムリピートするのだから、全員の知恵と勇気でルナも全員も救う最高のハッピーエンドに向かうとか(シュタインズゲート目指そう)。
最後の終わり方はまぁ悪くない気もするのですが、ソーマだけにタイムリピートの記憶を残させて、同じ帝国軍のスパイのツグミは生き残って、なんだかルナだけが犠牲になる辛いストーリーです。

あと、本来帝国軍の目論見ではツグミも死ぬ予定ですからね。1人残されたツグミだって、今後どうなるかわからない。これは脚本の都合であり、ルナのせいでは全くないと思うけれど、帝国軍のスパイとして送り込まれ、任務に失敗しながら生きながらえたツグミが、今後助かるとは思えません。全力でソーマあたりが守らないと、結局ツグミも、当初の帝国軍の予定通り死ぬ、というか殺されると思います。


メタ的な話で。
この舞台は、稲場愛香という人の、以前主演舞台を途中で降りてステージから去った稲場愛香という人の、復帰舞台です。
その復帰舞台で、彼女は毎回、毎回毎回毎回、自ら死を選ぶのです。明確に死とは言わないけど、救いの希望もないのだから、それは事実上の死だと思います。
やるせなく思うのはその部分かもしれません。
彼女はこの舞台をやり切らなくてはなりません。どのような理由、事情にせよ、以前の舞台を途中で降りてしまった彼女が、このように苦しい生き様、最後には死を選ぶ役。
非常に苦しいなと。愛香ちゃんはしっかりとルナを演じていました。だからこそ、公演の度に、どれだけのプレッシャーがかかるだろうかと感じます。

稲場愛香ちゃん、そして『気絶するほど愛してる!』の話

イムリピート観劇後、以前から見ようと思っていた『気絶するほど愛してる!』を見ました。
グループもかぶっていないので、両作品を見てる人は少ないかもしれない。
イムリピートと共通するのは、稲場愛香ちゃんが主演・出演していること、そして脚本家。
別口でブログをあげればよいのですが、どうしても、タイムリピートと絡めて書きたい部分があるため書きます。
以下、気絶のネタバレがガッツリ入ります。ご注意。


***


気絶を見ていてびっくりしました。序盤で愛香ちゃん演じる寛子は、孤児院で育ったと、さらりと、本当にさらりと発言します。
気絶から見ていたら、このセリフを特に何とも思わなかったかもしれません。
でも、タイムリピートでの、「母親に捨てられて孤児院育ち、苦しい生い立ち」という設定を強く意識していたから、しっかりと耳に残ったのだと思います。
そう、愛香ちゃんは気絶でもタイムリピートでも、孤児院育ちの役なのです。脚本家は同じ方です。なんてこった。

私は気絶のストーリーをほぼ知らなかったので、そのストーリーと結末にも驚きました。本筋はタイムリピートの感想ブログなので、できるだけ短くあらすじ書きます。

亡くなった妹のしずちゃんが大好きだった歌手、ビリー星野(岸本ゆめの)に会うため、孤児院育ちの寛子(稲場愛香)は田舎から東京にやってきます。ビリーを一目見て、寛子もビリーのファンになりました。
ひょんなことから寛子は、ビリーのバンドのメンバーに加わることになります。そして憧れのビリーとも良い感じの仲に。
しかし寛子は、自身の恋を取った結果、大切な友人である幸子(森戸知沙希)を裏切ってしまうことになります。
その後、病に倒れて生きる気力を失っていた幸子に対し寛子は、怒りを生きる力にしてほしいと考え、号泣しながら電話越しに憎まれ口を放ちます。寛子は、大好きな友人の幸子のことを思い、喧嘩別れするのです。

ファンがどれだけ減っても、そして友人の幸子と離れ離れになってまでも、寛子はビリーのそばにいます。
ですが、自信を失ったビリーが「音楽を辞めて寛子と暮らしたい」と言うと、ビリーの目を覚ますため、寛子はビリーの元から去ります。吹っ切れたビリーは、音楽を続けていくことを決意します。
物語の最後、寛子は舞台上にいません。
髪を下ろし、黒い服を着て、客席(本当に客席。オタクたちがいるとこ)から、寛子が初めて東京にやってきたときと変わらず音楽を奏でるビリーたちと、それを楽しむファンたちを見守っています。
そして舞台は終わります。

なんてこった。
こんな悲しい物語があるか。

少し他の方の感想ブログも読むと、確かにこの話、幸子とビリーは救われてる。寛子のおかげで。
元々病弱で死にそうになった幸子は寛子への怒りのパワーで生きる気力を得て、そしてビリーも売れなくなってくさっていたところ、寛子に失恋、そして叱咤されるような形で音楽を続ける決意をします。

でも、でも寛子は?
愛香ちゃん演じる寛子は、全然救われてない。
孤児院育ちで、大好きな妹を亡くし、東京で出来た大切な友人の幸子からは裏切り者と思われて、幸子のためを思い憎まれ口を叩いて別れて。愛するビリーからはプロポーズに近いことを言われたのに、彼の歌を尊重し、自身は姿を消します。
そして最後は文字通り、舞台にすらいない。髪を下ろし、黒い服。

救いようがなさすぎる。悲しすぎる。

愛香ちゃんがカントリーガールズを脱退してJuice=Juiceに加入するまでの過程をリアルタイムで見ていたため、どこかリンクするような感覚もあり、余計に悲しさがありました。

気絶もタイムリピートも、愛香ちゃんが救われなさすぎます。
イムリピートに感じる最大のもやもやはこういうところなんだろうなと、気絶を見て感じました。

演劇女子部ということ

気絶もタイムリピートも、脚本が同じ方です。
脚本、演出が同じ方になることが多いこと、劇団と違い、演じるハロメン自身はそれらを望んでやってきたわけではない、ということが苦しいなと、今ようやく思いました。
何度もハローの脚本を経験されている方なら、メンバーの性格、役割もある程度理解しており、当て書きぽくもなるのかなと思います。作品を超えてちょっとしたニクい演出を入れる良さ、それもわかります。(気絶、夢見るテレビジョンのザ・カシューナッツとかね)

ですが、愛香ちゃんのこの苦しい役柄、ストーリー、しかも2回の舞台とも続けて。
さすがに、愛香ちゃんが何をした?と思ってしまいます。
愛香ちゃん自身にそういう自己犠牲的な要素があり、彼女を主演にするならその部分がフィーチャーされるのはわかる。わかるけど。
愛香ちゃんが望んでそれを演じるならまだしも、ハロメンの側は、その意思に関わらず舞台をやっていて、役柄も選べず、もちろん脚本家も演出家も選べません。劇団のオーディション受けにきて、やりたくてやるのとは違うんです。
ルナの役、かなり心にダメージくる役だなと思うんですよ。周りに刺々しく当たって、疎まれて、心を通わせたのに最後には忘れられて、自分はその場を去るしかない。
見てるだけで思うから、やってる側も相当くるんだろうと。それを全力で、逃げ場もなく、選択権もなく、毎日毎日、毎公演、演じなければならない。
私はハロプロ舞台が割と結構好きな方ですが、そういう側面があることに今になって気付き、悲しくなったり。

まとめ

ネガティヴに熱くなってしまった。
Juice=Juice4年振り舞台ということでしたが、愛香ちゃんのことばかりになってしまいました。

前述の通り、私は高瀬一門を見にやってきており、今回は思ったより登場が多くてラッキーてな具合なんですが、ジューサー的にはこの舞台、どうだったんでしょう。うーむ。

とにかくこの舞台は愛香ちゃんのお話だった、そして、愛香ちゃんが救われない話だった、というのが私の感想です。
この舞台を演じる愛香ちゃんを労わりたいし、そしてもしも次があるなら、愛香ちゃんがただただニコニコしてるようなお話でいい、もうそれでいいから、と思います。